事例・コラム
Column
【事例で解説】設計図面の屋内箇所に「WP」仕様!提案できる塗料はある?

皆さんこんにちは営業のAです。
今回のお問い合わせはこちら
「公共工事の設計図面で、屋内箇所に「WP」仕様があるんだけど、提案できる塗料はある?」です。
最初に結論として…
規格上、その条件に該当する塗料はこの世に存在しませんが、条件付きで提案される塗料はあります。
順を追ってご説明していきますね。
目次
そもそもWP仕様とは
木材保護塗料(Wood Preservatives Stain)の略称で、日本建築学会、国土交通省、文部科学省などで使用されている塗装種別の略記号です。
公共塗装工事では、国交省が発行する「公共建築工事標準仕様書」に記載の塗装仕様に沿う必要があります。
令和7年現在の標準仕様書において、「WP塗り」の適用範囲は「屋外の塗装」に限定されています。
このため、公共工事における「屋内のWP仕様」は、矛盾する(存在しない)塗装仕様となります。
それにも関わらず、今回のお問い合わせのように、屋内箇所にWP仕様が記載されているケースは散見されます。それは何故なのでしょうか?
屋内箇所にWP仕様が記載される背景
国交省の標準塗装仕様書は、数年単位で内容が改正されています。
その中で、平成28年度の改正以前は、WP仕様は屋内外どちらにも使用できる塗装仕様でした。
その時の名残で、屋内にWP仕様を記載されるケースがあると推測しております。
このような場合、どうしたらいい?
最も間違いがないのは、設計図面を作成された会社様に確認いただき、しかるべき塗装仕様(ST塗り等)に変更いただくことです。
しかし、元請け様、施主様のご理解の元、矛盾は承知で屋内にWP塗料を使用したい、とされるケースも稀にございます。(耐久性を持たせたい場合など)
そのような場合、元請け様、施主様のご理解の上で、「水性バトンプラス」を提案することがございます。
水性バトンプラスの提案理由は以下の3つです。
①第三者機関によるホルムアルデヒドの放散量測定試験により、F☆☆☆☆相当の放散等級である試験データを提出可能※後述の注意が必要です
②国交省建築指導課による「告示対象外で規制を受けない建材の例」の内、ピグメントステインにあたる=規制を受けることなく使用することが可能
③国交省の「JASS 18 M-307 木材保護塗料」(屋外向け塗料)の規格と、「JASS 18 M-306ピグメントステイン」(屋内外向け塗料)の規格両方に適合している=内外装兼用で使用することが可能
注意事項
水性バトンプラスを含む、全てのWP塗料は、F☆☆☆☆の証明書を発行できません。
F☆☆☆☆は屋内用塗料の規格であるため、屋外での使用が前提となるWP塗料は必然的にF☆☆☆☆の対象外となり、証明書を発行することが出来ません。
上記で提出可能と記載しているのは、あくまでも「第三者機関でのF☆☆☆☆と同等のホルムアルデヒド放散量である証明」であり、「F☆☆☆☆証明書」ではないことにご注意下さい。
本件の問い合わせについては、どのような選択を取られる場合でも、必ず元請け様、施主様へご理解いただいた上でのご検討を何卒よろしくお願いいたします。
★コラムの更新・ウェビナーの開催情報は、弊社メールマガジンにて随時配信しております。
ご登録を希望される方は、以下の登録フォームより、お気軽にお申込みください。

この記事を書いた人:営業 A
柔らかい物腰がにじみ出る文章に定評のあるライター。業務では顧客への塗料の提案を担当。運動不足を解消すべく任天堂スイッチのリングフィットアドベンチャーを始めました。