事例・コラム
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5分で読める 木工着色塗装の選び方「屋外の塗装編」
塗料は用途、目的に応じて多種多様に存在します。今回は「屋外に使う木材を塗装する」場合の塗料種類と選び方について解説します。
目次
木材保護塗料
屋外の木部着色には主に「木材保護塗料」が使われます。
一口に「木材保護塗料」と言っても、浸透型、半造膜型、造膜型とタイプが分かれています。それぞれのタイプの概要は以下の表の通りです。
塗料の概要
※表面に膜を造る「透明」塗料もありますが、今回は割愛します。
塗料の選び方
選ぶポイントは大きく2つあります。「仕上がり」と「耐候性」です。
仕上がり
一般的に浸透型、半造膜型、造膜型の順に木目が強調された仕上がりになります。劣化材に塗装する場合(≒塗り替えの場合)、明るい色に塗り替えるのか、暗い色に塗り替えるのかで塗料の選び方が変わります。
下の写真は杉の新材、劣化材にそれぞれのタイプの木材保護塗料を塗り比べたものです。(それぞれ左から順に浸透型、半造膜型、造膜型)※上記の写真とは別の木材へ塗装した見本です。
新材で塗り比べる場合は下地の影響を受けない為、写真のようにどのタイプも綺麗に発色します。しかし、劣化の激しい木材に浸透型の木材保護塗料を塗装した場合、パイン色等の明るい色調では、新材に比べ綺麗に発色する事が出来ません。劣化材に明るい色調を塗装する場合は、造膜型ないし半造膜型を選定することを推奨します。
耐候性
一般的に造膜型、半造膜型、浸透型の順に耐候性は高くなります。容易に塗り替えを行えないような高所、広面積の場所であれば、塗り替えるまでに長期間塗面を保持する必要がある為、半造膜型、造膜型の木材保護塗料を選ぶ事を推奨します。
劣化材でも明るい色で木目を強調した仕上がりにしたい場合
ブラストという方法を使用して劣化している層を除去してから塗装する選択肢があります。その場合、ブラストした面は新材に近い状態になる為、浸透型の木材保護塗料を塗装し、「木目を鮮明に仕上げる」ことが出来ます。それだけでなく、耐候性も大幅に向上させることが出来ます。詳しくはこちらのページをご覧ください。
まとめ
今回の内容をチャートにしていますので、屋外塗装にお困りの際は参考にして下さい。
また、こちらも参考までに弊社の木材保護塗料を比較した表を載せています。
本記事では屋外に使う木材保護塗料の種類と選び方を紹介しました。今回紹介した内容から、読者の皆様がより良い選択と仕上がりを実現できることを願っています。
とはいえ、今回ご紹介できた情報は全体のほんの一部です。調べたい塗料について情報が載っていない、または、掲載されている情報についてもっと詳しく質問したい、という方は、以下のフォームより、お気軽にお申し付けください。
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この記事を書いた人:塗創課 S
分かりやすい図表づくりに定評のあるライター。業務では調色、見本作成を通した塗装提案を担当。趣味は読書、映画、水泳。好きな映画は「インターステラー」。