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塗膜の色変化について

皆さんこんにちは、大谷塗料㈱塗創課の M です。
皆さんはこのように木製品の色が時間とともに黄色く変わるのを見たことがありますか?

木製品の色が変わる原因には、紫外線による塗膜や木材の劣化、油性塗料にみられる酸化反応、塗料と木材の化学反応など、さまざまな要因があります。

今回は、その中でも「塗膜の色変化」について紹介したいと思います。
皆さんは、普段どのように塗料を選んでいるでしょうか。艶の感じ、物理的性能面、値段など、考慮すべきポイントはたくさんありますが、塗膜の色変化も塗料を選ぶうえで大切な項目です。ご参考になれば幸いです。

塗料の変色は黄色くなることが多く、黄変(おうへん)と呼ばれています。
この観点から見ると、塗料は主に 3 タイプで表現されます。

黄変タイプ・・・黄色くなる
難黄変タイプ・・・わずかに黄色くなる
無黄変タイプ・・・ほとんど黄色くならない

見る方が分かりやすいということで実験をしてみましょう。
白のエナメル塗料の上に、それぞれのタイプの上塗りを塗装します。
(白エナメル塗料は無黄変タイプを使用)

↑の下地に上塗りを塗装し、塗装面の半分に紫外線を当てました。

どうでしょうか。
やはり左の黄変タイプが特徴的ですね。
写真のように、黄変タイプは光照射前も黄色いことがあります。
難黄変タイプも少し黄色くなっていますね。
一方で、無黄変タイプはほとんど変わっておりません。

『せっかく白く仕上げたのに、黄変タイプだめやん。黄色すぎる。』
と思われる方が多いと思います。では状況を変えて下地を木にしてみます。

ナチュラル系の色の木に塗装してみました。
下地が白エナメルの場合と比べて、かなり変色が分かりにくくなったと思います。
難黄変、無黄変は変化がほとんどわかりません。
続いてダーク系はどうでしょう。

全てのタイプで、変化がほぼわからなくなったのではないでしょうか。

木工塗装は多くが透明仕上げのため、木地の色に影響されやすいです。
下地が暗い色では塗膜の黄色さが目立ちにくく、白系の色では時間が経つにつれて変化が目立つことがあります。黄変タイプのメリットとしては、無黄変タイプに比べて価格が安価な傾向があり、状況によって使い分けられています。
まとめると表のようになります。

塗膜の色変化を理解することで、塗料選びの際に役立てることができます。
塗装の目的や使用環境に応じて、最適な塗料を選んでください。
では、また次回お会いしましょう。

今回の記事の内容や、その他木工塗装についてご質問・ご相談がございましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお声がけください。

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この記事を書いた人:塗創課 M
マニアックな視点に定評のあるライター。業務では調色、見本作成を通した塗装提案を担当。毎日3人の息子の子育てに追われています。