事例・コラム
Column
テーブルの「うち傷」を見えづらくする工夫

みなさんこんにちは、販売促進グループの増田です。
先日のコラムでは、テーブル・カウンターの打ち傷について、対策できる塗料をご紹介しました。
しかし、「スプレーガンで塗装できない場合はどうしようもないのか?」という方もいらっしゃると思います。
結論から言うと、現場塗装できる塗料で、打ち傷自体をつきづらくすることは難しいです。
ですが、「傷跡を見えづらくする」ことはできます。
以下ではその方法を紹介していきます。
目次
方法①下地の色をダーク系からナチュラル系に変更する
これはシンプルに、以下の図のようなお話です。

左(ダーク系下地)よりも右(ナチュラル系下地)の方が、傷が目立ちにくいですよね?
打ち傷が入った部分は白く見えます。
そして、傷は下地との色差が大きいほど目立ちます。
なので、下地の色をダーク系からナチュラル系に変更することで、傷を目立ちにくくすることが出来ます。
とはいえ、求められる仕上がりの面で、勝手に色を変えられないということもありますよね。
そんな時は次の方法を検討してみましょう。
方法②「研磨剤」が入っていない塗料のみで塗装を行う
そもそも、うち傷が白く見えるのはなぜか?
よく原因になるのが、サンディング塗料に含まれる「研磨剤」という原料です。
「研磨剤」には白い粉体状の原料を用いることが多いのですが、塗膜に凹みや割れが発生した場合、この「研磨剤」に光が乱反射することで、白い跡として見えてしまうのです。
※全てのサンディング塗料で発生するわけではありません。
例えば、以下のような工程で塗装したものに打ち傷をつけた見本の写真が↓です。
※1枚目と2枚目は、写す角度を変えた同じ見本の写真です。
工程①ウレタンサンディング
工程②ウレタンサンディング
工程③ウレタンサンディング
工程④ウレタントップコート


一方で、以下のような工程で塗装したものでは↓のようになります。
※1枚目と2枚目は、写す角度を変えた同じ見本の写真です。
工程①ウレタントップコート
工程②ウレタントップコート
工程③ウレタントップコート
工程④ウレタントップコート


ご覧の通り、後者の方が明らかに傷の白さが減って、目立ちにくくなっています。(正面から見ると、傷がどこかほとんど分からない)
具体的な塗料でいえば
工程①「セーフティーワルツ ネオデラック 2020FF 艶あり」
工程②「セーフティーワルツ ネオデラック 2020FF 艶あり」
工程③「セーフティーワルツ ネオデラック 2020FF 全艶消し」
といった塗装仕様が挙げられます。
ただし、下中塗りにサンディング塗料を使う場合と比べて、以下のデメリットもあります。
①研磨が大変
実際に研磨してみると分かりますが、研磨剤が入っているサンディング塗料と比べると、
トップコート塗料は研磨があたりづらいです。(耐摩耗性が高いため)
きれいに研磨を当てるとなると手が疲れますし、時間もかかります。
②乾燥時間が長くなる
例外もありますが、一般的にトップコート塗料よりサンディング塗料の方が乾燥時間が短い傾向があります。
③塗装間隔を空けすぎると密着不良になりやすい
間隔があいた場合でも十分に研磨すれば問題ないのですが、先述の通り研磨があたりづらいため、サンディング塗料を用いる場合と比べてリスクは大きくなります。
④塗膜の厚みが薄くなる
例外もありますが、一般的にトップコート塗料よりサンディング塗料の方が塗膜が厚い傾向があります。
まとめ
・スプレー塗装ができない条件でも、打ち傷を目立ちづらくすることは可能
・主な方法は「下地の色を明るくする」「トップコート塗料のみで下中上塗りを行う」こと
・下地の色が制約されたり、塗装作業性が低下するなどのデメリットもあるので、状況に応じて判断が必要
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この記事を書いた人:販売促進グループ 増田
画力と丁寧な記述に定評のあるライター。業務ではWEB販促を担当。最近は約8年ぶりに名刺に載せる似顔絵を描き直した中で、己の加齢にショックを受けた。