事例・コラム
Column
「『何も塗っていない風にしたいから透明な塗料を使う!』➡それ、間違いかもしれません」

こんにちは塗創課のMです。
今日はよくご依頼いただく「何も塗ってない風」仕上げについてご紹介します。
例えば、あなたはこんなやりとりをしたことがありませんか?
今回の案件は木の色をそのまま活かした、自然な雰囲気を演出したいんです。
だから木部も『何も塗ってない、木材そのものの感じ』な仕上がりがいいんです。
わかりました。じゃあ、色を着けない『透明色』の塗料を使いましょう。
それでは、依頼通り「透明色」を塗るとどうなるか、杉材で試してみましょう・・・
これは塗装前の「何も塗っていない杉材」です。

「透明色の塗料」を塗装すると、このようになります。

※今回は「VATONFX #501透明」を使用しています。
イメージどうでしょうか。
あめ色っぽくなって、「何も塗っていない杉材」とはずいぶん色が違ってしまいましたね。
木材は塗装されると、水に濡れているような色、いわゆる『濡れ色』になります。
しかし、ほとんどの人は「何も塗られていない木材」をイメージすると、「乾いた状態」を思い浮かべるのではないでしょうか?
これが、「透明色の塗装」が「何も塗っていない風」にはならない原因です。
では、どうすればいいのか?
答えは「木材の『乾いた状態』に似た色で着色する」です。
試しにVATONFXを調色して、杉と似た色を作って塗装してみました。
これが塗装前

これが塗装後です。

透明色を塗装した見本と並べてみるとこうなります。

かなり「何も塗っていない風」になっているのではないでしょうか。
ちなみに、「透明色」を使わず着色することは、見た目以外にも良いことがあります。
先日のコラムで解説したように、日光や雨にさらされる環境では、透明色の塗装は比較的早く灰色化(劣化)してしまいます。
色を着けておくことで、木材を紫外線から守る効果が高まりますので、結果として長期間木材の美観を保つことにも一役買うのです。
今回は木材に浸透するタイプの塗料(VATONFX)での事例のご紹介でしたが、塗膜を形成するウレタン塗装等でも濡れ色を隠す対応はできます。
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ではまた。
上記の調合色のVATON-FXのサンプルをご依頼の場合や、不明な点や相談したいことがございましたら、以下のお問い合わせフォームよりお気軽にお声がけください。
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この記事を書いた人:塗創課 M
マニアックな視点に定評のあるライター。業務では調色、見本作成を通した塗装提案を担当。毎日3人の息子の子育てに追われています。