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木工着色塗料の選び方 その②~光源や面積、角度による色の見え方の違い~
木工着色塗料を選んだ際、完成した塗装品を見て「思っていたイメージと違った」という経験はありませんか?
同じ色でも、光源や面積、角度など、条件によって色の見え方は異なる場合があります。
本記事では、木工着色塗料を選ぶ際、どのような条件で色を評価すれば良いのか、塗装見本の写真を交えて解説します。
公共施設や商業施設の建築設計などで、木工着色塗料を選定する立場にあるが、相談できる人が周りにいない、とお困りの方はぜひ参考にしていただければ幸いです。
※本記事に掲載する塗装見本写真は、撮影したカメラによる補正がかかっておりますので、肉眼で見た色差とは異なります。あくまで参考程度にお考えください。
目次
光源による色の見え方の違い
木工着色の評価において、主に使われる光源は以下の3つです。
着色見本を評価するのは室内が多いと思われますが、その際は完成品が用いられる環境と同じ光源であるか、確認することが推奨されます。
太陽光
太陽によって照らされる自然の光のことです。
日中の天候や季節、時刻によっても異なる特性を持ちます。
蛍光灯
蛍光体によって可視光を発する特定のタイプの人工的な照明装置です。
光の色味によって以下のような種類に分類されます。
昼光色 :白っぽく青みがかった最も明るい色。主な用途/オフィスや勉強部屋
昼白色:太陽に近い自然な色。主な用途/リビングや脱衣所
電球色:電球に近い落ち着いた色。主な用途/リビング・ダイニングや、寝室・トイレなど
D65光源
国際的な標準であるCIE(国際照明委員会)の規格に基づいて定義された、標準光源です。
平均的な昼間の自然光(北半球における北空からの自然昼光の内、日の出3時間後から日の入り3時間前までの太陽光の直射を避けた天空光)を模倣しており、塗装業界や印刷業界など、製品の色調を一貫して評価するための標準的な光源として使用されることが多いです。
面積による色の見え方の違い
面積の大きい色は小さい色に比べてあざやかに見えやすくなります。
これは「色の面積効果」と呼ばれる現象です。
木工着色塗装は建築物や家具など、広い面積を対象にすることが多いため、色見本のサイズが極端に小さい場合、イメージと仕上がりが異なる場合があります。
木目を出す仕上がりの場合、切り出した部分に早材が占める割合が多いか、晩材が占める割合が多いかでも印象が変わってきますので、その意味でも、極端に小さい見本を用いることは避けるべきです。
角度による色の見え方の違い
光の反射や屈折、色素の配置などが角度によって変化すると、色の見え方にも影響を及ぼします。
木工着色塗装においては主に「立面で色を見る」「平面で色を見る」という観点が用いられます。
着色の目標となる見本板がある場合、以下の画像のように配置して比較することが推奨されます。
図A:色見本板も色出し用塗板のいずれも平置きにして(寝かせて)確認する場合。
例:隣り合う床材やカウンターなどの天板同士など
図B:色見本板は縦置きで色出し用塗板を直角に重ねて確認する場合。
例:巾木と床材や、カウンターの天板と側板など
図C:色見本板も色出し用塗板のいずれも縦置きにして(立たせて)確認する場合。
例:隣り合う巾木と壁材、ドア枠とドアなど
背景による色の見え方の違い
周りにある色の明度や彩度によって、同じ色が違って見える場合があります。
これは「色の対比効果」と呼ばれ、明度対比や彩度対比などに細分化されます。
例:明度対比
周りの色が暗い色だと対象の色が明るく見え、反対に周りの色が明るい色だと対象の色が暗く見えます。
観察者での色の見え方の違い
身体的な個人差
性別により感知能力が異なる傾向があります。
年齢
年齢を重ねるほど、コントラスト感度が低下します。
体調や気分
疲労がたまっていると色がより暗く見えたり、鮮やかさが失われたりすることがあります。
まとめ
本記事では木工着色塗装にあたり、どのような条件で色を評価すれば良いのか解説しました。
色の評価に当たっては、実際に塗装品が用いられる条件に合わせることが重要です。
例えば、屋外のウッドデッキの着色塗料を選定する場合は、「太陽光」「平面」「広い面積」の条件で色を見る、といったイメージです。
今回紹介した色の評価のポイントを理解し、目的に合った塗料を選定することで、読者の皆様がより良い仕上がりを実現できることを願っています。
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この記事を書いた人:販売促進グループ 増田
画力と丁寧な記述に定評のあるライター。業務ではWEB販促を担当。最近は人生6度目のダイエットに挑戦中。