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「屋外木部の塗装に透明色を選択したい」メリットと注意すべき点

皆さんこんにちは、営業Aです。

屋外木部に用いられる「木材保護塗料」を選定する際、木目を生かしつつ耐久性を確保することは、設計士様や塗装業者様にとって重要なポイントだと感じております。

実際、木材の本来の質感を活かすために透明色で塗装したいのですが」というお問い合わせは珍しくありません。

確かに「VATONプラス」のような浸透型の木材保護塗料を使用する場合、透明色を選択することで木材本来の色味・風合いを維持しやすくなります。

※参考までに、これは「VATON-FX #501透明」の内装施工事例です。

しかし、屋外で透明色を使用する時には特有の注意点もあり、それを理解した上で適切に使用することが求められます。

屋外に透明色の木材保護塗料を選択する際のポイント

  • 日射の影響を受けやすい場所には着色タイプを推奨
  • どうしても透明を使用する場合は、定期的なメンテナンスを前提とする
  • 事前にテスト塗装を行い、灰色化の進行具合を確認する
  • 劣化が進行した際には、早めの再塗装を検討する

透明色の木材保護塗料には、紫外線による木材の劣化に対しての保護効果がありません。

木材保護塗料の主要な役割の一つは、紫外線による木材の灰色化(劣化)を防ぐことです。

灰色化をそのまま放置すると、木材の強度が低下し、割れや腐朽の原因になってしまいます。

顔料を含んだ塗料は紫外線を遮り、木材の灰色化を抑える効果があります。

しかし、透明色は顔料を含まないため、紫外線の影響を直接受けやすく、下地の木材の灰色化(劣化)が生じるリスクが高まります。

※軒のイメージ写真です。

このような理由から、塗料メーカーとしては透明色の木材保護塗料を単独で屋外へ使用することは推奨していません。(製品カタログにも明記しております)

ただし、それらのリスクを理解した上で、どうしても屋外に透明色の木材保護塗料を使いたい場合、箇所を限定して施工されるお客様もいらっしゃいます。

具体的に言えば、軒の深い場所など常時日陰になる部分では、透明色の木材保護塗料でも比較的安定した状態を保ちやすく、木材の風合いを生かしながらカビ等から木材を保護する効果が期待できます。

一方で、直射日光や雨風が当たりやすいウッドデッキや外壁では、木材の灰色化(劣化)が比較的早期に発生するため、着色タイプを選択するほうが長期的な美観維持には有効です。

※必ずしも「灰色化=塗料の保護効果が無くなっている」ではありません。

木材が灰色化しても、表面に塗料成分が残存している限りは、塗料が持つ防腐・防カビ・防虫(防蟻)の効果は持続します。

ただし、木材が灰色化しているということは、表面が脆く劣化して欠損しやすくなっている状態のため、早めの塗り替えが推奨されます。

いかがでしたでしょうか。

木材保護塗料の透明色は、木材の質感をほとんどそのまま生かせる大きなメリットがありますが、施工箇所等によっては着色タイプと使い分けることが推奨されます。

お客様の満足度を高める塗料選定に、少しでもお役立ちできましたら幸いです。

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この記事を書いた人:営業 A
柔らかい物腰がにじみ出る文章に定評のあるライター。業務では顧客への塗料の提案を担当。運動不足を解消すべく任天堂スイッチのリングフィットアドベンチャーを始めました。