事例・コラム
Column
滑らない塗料が欲しい

みなさんこんにちは、販売促進グループの増田です。
このコラムをお読みのあなたは、お客様から
「塗装で床を滑らないようにしてほしい」
などのご相談を受けた経験はありませんか?
以下ではよくある相談のパターンと、おすすめの塗料をご紹介していきます。
目次
介護施設の建材の塗装

介護施設の階段などの建材を、筋力が衰えている方が利用するにあたって滑らないようにしたいというケースです。
例えば、階段を上り下りする時や椅子に座るシーンにおいて、適切な滑り止め処理を行うことで、転倒からの骨折といった重大な事故のリスクを軽減することができます。
どこまでの滑り止め性を求めるかは、家具建材メーカーによって違いがありますが、これまでに滑り止め目的で採用された実績がある塗料としては、以下が挙げられます。
・椅子(座面)の滑り
高い滑り止め性能を持ち、座った時の姿勢保持・滑り落ち防止に貢献します。

・階段(踏み板、手すり)の滑り
この用途の場合、滑り止めが強すぎると逆に転倒の恐れもあるため、先述の体育館フロアー塗料と「SW ウレボンフラット ストッパー」の中間レベルの滑り止め性を持ちます。
※どちらの塗料も、スプレーガンでの塗装が前提となります。
艶消し仕上げでも滑り止め性を発揮することが出来ます。
上塗り用塗料ですので、別途下中塗り用塗料の使用が必要になる場合がございます。
体育館フロアーの塗装

体育館のフロアーなど、その上で運動をするにあたって滑らないようにしたいというケースです。
例えば、バスケットボールなどをプレイする時、急激に体制を切り返すためには、床が「滑らない」必要があります。
一方で、バレーボールでダイビングレシーブをする時などは、床が「ほどよく滑る」必要があります。
この絶妙な滑り止め性を実現するために、スポーツフロアー向けの塗料では「滑り抵抗値(CSR:Coefficient of Slip Resistance)」に基づいた設計がなされています。※

出典:日本建築学会 材料施工委員会 内外装工事運営委員会 床性能評価検討小委員会「床の性能評価方法と推奨値を設定した性能項目 A-6すべり その1 履物着用の場合のすべり」 http://news-sv.aij.or.jp/zairyou/s10/YKWGindex1.html 2025年10月24日
※CSR値は、塗料だけでなく周辺環境によっても大きく変動します。塗料のカタログに記載されているスペックは、検査による一定の測定条件に於ける測定結果の代表値であり、保証値ではないことに注意が必要です。
体育館フロアーにお勧めの塗料としては以下が挙げられます。
どの塗料も、スポーツに最適な滑り止め性能を持ちます。
「セーフティーワルツ(以下SW) ネオデラック2020FF」
【注意:滑りと艶の関係について】
体育館フロアー適性があるのは、上記各塗料の「艶あり」のみです。
上記の塗料に限らず、塗料は一般的に艶消しになるほど滑りやすくなります。
そのため、「半艶消し」「全艶消し」は体育館フロアーへ推奨いたしません。
逆に言えば、上記の塗料以外を使用する場合でも、艶消しよりも艶ありを選定した方が、滑りづらくなります。
(余談)塗装した直後は滑らなかったのに、時間経過で滑るようになるケース
特に体育館フロアーにて、先述した推奨塗料を使っているのに滑るようになった、という問い合わせをいただくことがあります。
様々な要因がありますが、よくあるパターンとしては以下が挙げられます。
①表面に砂埃などが堆積している
②塗装の上からワックスがかけられている
③化学モップ※を使用して清掃している ※着塵剤が塗布されているモップ
対策としては、以下が挙げられます。
・出入口に砂取りマットを設置する
・ワックスや化学モップを使用しない※
・清掃の際は、化学モップではないモップで空拭きする
※一度でもワックスを使用すると、完全に除去するためには専門業者の施工が必要になります。
コラムの内容で不明な点があったり、どの塗料を選ぶべきか判断に迷われる場合は、以下のフォームよりお気軽にお声がけください。
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この記事を書いた人:販売促進グループ 増田
画力と丁寧な記述に定評のあるライター。業務ではWEB販促を担当。最近は約8年ぶりに名刺に載せる似顔絵を描き直した中で、己の加齢にショックを受けた。