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Column
お客様インタビュー『MOKリバブラスト』(興栄塗料機工様)

会社名 | 株式会社興栄塗料機工 |
事業内容 | 塗料全般・関連塗装機械・工具の販売・修理 各種塗装設備・設計・施工 塗装・防水・リフォーム工事全般 |
会社WEBサイト | http://koeitoryo.jp/index.html |
ご採用製品 | MOKリバブラスト工法 |
株式会社興栄塗料機工様は、熊本県熊本市の会社です。
塗料・関連機械等の販売だけでなく、塗装・防水等の現場工事や焼付塗装も事業として行われています。
建築塗装工事の選択肢の一つとして、「MOKリバブラスト工法」を10年以上にわたって採用いただいております。
今回は本工法の運用を主導されている社長の藏原(くらはら)英之様に、採用背景や使用感についてお話を伺いました。

目次
検討当時の課題感
まずはじめに、検討当時の課題感を教えてください。
(藏原様)従来、屋外木部の塗り替えでは主に薬品洗浄を行っていました。
しかし、薬品は劇物であることも多く、作業者の手や目の保護や、周辺の植栽へ薬品や洗浄水がかからないようにするなど、慎重な対応が必要な作業でした。
また、薬品洗浄後の水洗浄も木を変形させるため課題に感じていました。
その他、ログハウスは構造上、水洗浄で室内が濡れることがあり、木材の接合部の隙間に水が溜まると腐りのリスクも高まると考えています。
MOKリバブラストは乾式工法で、水を一切使わない点から興味を持ちました。
確かに、水を使う工法は木材にとって様々なリスクがありますよね。
とはいえ「MOKリバブラスト」は塗装商材としては高コストな部類なので、それだけで採用とはならなかったと思います。何が決め手だったんですか?
(藏原様)実物のデモ施工を見て、工事のトータルコストダウンが狙える、理にかなった工法だと直感したことが採用の決め手です。
水を使わないため洗浄後の乾燥時間を設ける必要が無く、極端な話、ブラストした直後から追っかけで塗装を行うこともできます。
これにより、施工現場へ職人が行ったり来たりする時間(=人件費)を大幅にカットすることができます。
施工者や周辺環境への影響も小さくなりますので、保護や養生にかかる時間も短縮できます。
また、施工コストは確かに安くありませんでしたが、施工により木部の寿命を延ばせることを踏まえると、比較対象は塗装工事ではなく「新しい木材への取り換え工事」になるため、逆にコストダウン提案ができるとも考えました。
以上のことから、採用を決めました。

採用してみて良かったこと
ブラスト作業のコスト単体でなく、準備から撤収までの工事のトータルコストを見た時に、総合的にコストダウンになる、と考えられたのですね。
実際に採用してみて、良かったことはありますか?
(藏原様)いくつかあります。
まず、公共施設や別荘など、単価の高い案件を受注しやすいこと。
比較的予算規模が大きい学校や幼稚園などの公共案件の獲得に役立っています。
一度案件を経験いただければ、設計士からのリピート率も高いです。
民間案件でも、神社仏閣や別荘系(ログハウス)ならコスト感も合うので、それらの案件獲得にも活用しています。

次に、お施主様の満足度が高いこと。
施工したその瞬間から目に見えてきれいになり、施工後もメンテナンス頻度を伸ばせるので、お施主様の満足度が高いです。
ほかに特に思い出に残っているエピソードは、鹿児島県の護国神社の案件です。
数十年に一度の大改修でMOKリバブラストを施工しましたが、「きれいな見た目になっただけでなく、建築当時のひのきの香りも復活したようだ」などとお施主様に大変感激いただきました。
工事完了の式典では、県知事や地元の大企業の役員など錚々たる出席者の前で、改修工事への感謝状を進呈いただきました。


確かに自社の工法ながら、私自身初めてブラスト施工の様子を見た時に「魔法みたいな工法だなあ…」と感動したことを覚えています。
お施主様にとっても、塗り替えを一種のエンターテインメントとしてもお楽しみいただけるきっかけになっているのかもしれませんね。
他にはありますか?
(藏原様)あとは、木部が浮造りになって高級感が出ること。
好き嫌いはありますが、神社仏閣などは特に木質感を好むお施主様が多いので、結果として付加価値になることが多いと感じています。
そして、彫刻が施された木部や金具について、年季を残しつつきれいにできること
ブラスト工法ですので、神社の彫刻など凹凸がある面もきれいにできます。
下地を塗りつぶす工法ではないこともあり、年季が入った風合いを残せることも喜ばれるポイントです。
錆を気にせずに金具を洗浄することもできます。


以下は福岡県の「正福寺」の改修工事を行った際、工事の様子を見たお施主様(住職様)にいたく感心いただき、お寺の会報に掲載いただいた時の記事です。
築300年余りの歴史を感じさせる風合いは残しつつも、美しい見た目に生まれ変わったことにお喜びいただきました。

凹凸形状がある箇所は研磨では処理するのが難しいですし、一般的なサンドブラストだと形を変えてしまう恐れも大きいため、ここは植物性メディアを採用している強みですよね。
(藏原様)そうですね。あとは、劣化が自然であることも挙げられます。
改修塗装に使われることが多い「造膜型塗料」は、塗膜が剥離すると劣化が目立ちますが、この工法は浸透型塗料を採用しているので、劣化が自然に見えやすいです。
そして、施工部の寿命が延びること。
塗布量が2倍近く増加することと、劣化脆弱層を除去して塗装することから、大幅に寿命を延ばせます。
実際に10年以上前に施工した案件を経過確認していますが、まだ保護効果を持続しているものを複数確認できています。
浸透型木材保護塗料の寿命は、一般的に長くても5年程度と言われていますので、倍近く寿命を伸ばせています。


採用してみて大変だったこと
ありがとうございました。
耐久性については私も現地を確認していますが、見た目の維持だけでなく表層の感触も硬く、まだ活膜を維持していることに驚きました。
と、ここまでは良い点についてお話を伺いましたが、通常の塗装と比べると特殊な工法ですので、使いこなされるまで苦労もあったと思います。
ここからは、採用して大変だったことについても教えてください。
(藏原様)これもいくつかあります。まずは養生について。
正直なところ、養生が全体の80%の労力で、一番のネックです。
環境負荷はほとんどないメディアではありますが、サンドブラストなどと比べると軽量で飛散しやすく、近隣に建物がある場合などは景観を損なわないために念入りに養生を行う必要があります。
ログハウス、神社などで屋内にメディアが吹き込む構造であれば、屋内の養生が必要になる場合もあります。そのほか、引き戸のレール凹部に入りこむと非常に取れづらく、厄介です。
メディアが湿気を含むと固まって掃除しにくくなるので、施工を早めに切り上げて必ず毎日掃除しています。
ちなみに空調服はメディアでつまるので使えません。夏の施工は熱中症対策も必要です。


そして大型コンプレッサーの手配が必要なこと。
15馬力でも稼働はしますが、後述の詰まり対策でアフタークーラーがついている必要があるので、15~20馬力のコンプレッサーを使うことが多いです。
かろうじて1トントラックに横積みはできるのですが、メディアや他の道具の積載、人も乗ることを考えると、2トントラックを使用することが多いので、事前に現場周辺の動線確認は必須ですね。
今はエアホース込みで現地レンタルする形式で落ち着き、機械メンテナンスの手間も省けています。
屋外の養生はともかく、屋内の養生は家具を動かしたりする必要も出てきて、その意味でも大変ですよね。
ここを見誤ると施工予定が大きく崩れてしまうので、事前にしっかり確認しておきたいところです。
他にもありますか?
(藏原様)他には、施工中のガンの詰まりがあります。
機械内外の気圧差による結露や、空気中の湿気で機械・ホース内にメディアが張り付いたり膨潤したりすると、ガンが詰まることがあります。
対策として、タンク内のメディアがなくなるまで吹き切ること(途中で作業を止めない)と、アフタークーラー付きのコンプレッサーを採用しています。
その関係で、施工にあたっては最低2人工を動員しています。(ブラスト役、タンク操作役)
作業の合間をみて、タンクにメディアを入れずに空気を送り、機械の内部を風乾燥させる対策もしています。
あとは、ブラストメディアの消費量ですね。
案件によっては、標準(0.5~2.5kg/㎡)よりもメディアを多く消費することもあります。
具体的には格子状の施工部位や鎧張りの継ぎ目、丸太型のログハウスやお寺の垂木などが該当します。
メディアも安いものではないので、見積もり時は多めに消費することを見越して試算しています。

今後への期待
ありがとうございます。
いただいた課題点の内、弊社にて改善に動いているものもありますので、早くご負担を減らせる日がくるように、精進してまいります。
最後に、全体的な満足度と今後への期待があれば教えてください。
(藏原様)全体的には、安定して利益をあげることができており、満足しています。
今後に期待することとしては以下などがあります。
①環境負荷が小さいことに注目して、海に面した案件への提案などへの展開に期待しています。
②得られる効果の面で、比較対象は塗装ではなく材の取り換えになりますが、その費用対効果を説明できるような資料があればと考えています。
③本工法に適した養生資材があればと考えています。
④ドア一枚など、ちょっとした面積に向けた「小面積用ブラスト」が作れればと考えています。
ありがとうございました。
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この記事を書いた人:販売促進グループ 増田
画力と丁寧な記述に定評のあるライター。業務ではWEB販促を担当。最近は約8年ぶりに名刺に載せる似顔絵を描き直した中で、己の加齢にショックを受けた。