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【DIYで床を長持ちさせる!】学童クラブの無垢床保護にワックスはNG?プロが教える木床用保護塗料の選び方

お問い合わせ事例:新築から半年で無垢床の汚れが気になる…ワックスで保護したい!

「新築から半年で、学童クラブの無塗装の無垢床の汚れが目立ってきて困っている。DIYで床を保護したいけれど、素人でも簡単にできるおすすめのワックスはないだろうか?」

先日、小学校の学童クラブで保護者会長を務めていらっしゃるお客様から、このようなご相談をいただきました。新築の美しい無垢床を長く保ちたいという思い、よく分かります。

しかし、私たち木工塗料の専門家からのご提案は、少し異なります。

結論から申し上げると、木部床のメンテナンスにおいて、「ワックス」ではなく「木床用保護塗料」の使用を強くおすすめします。

この記事では、「ワックス」と「塗料」の違いから、DIYで挑戦できる貴社製品の具体的な選び方まで、プロの視点で徹底解説します。

無垢床材は「一生もの」の床材!ワックスでその価値を損なわないで

今回のお問い合わせの床材は無塗装の「無垢床」とのこと。この素材は、サステナブルな視点からも、非常に価値の高い素材であることを、まずはお伝えしたいです。

1. 無垢床材のメリット:「削りしろ」があること

シートや突板貼り付けのフローリングと異なり、無垢床材には十分な「木材の厚み(削りしろ)」があります。

この厚みがあるおかげで、たとえ表面が傷ついたり汚れが染み込んでしまっても、研磨機で表面を削り取ることで、新品同様のフレッシュな表面状態に戻すことができるのです。これは、無垢材が持つ魅力の一つであり、「一生もの」の床材と言われる所以です。

2. 「ワックス」はちょっと待って!無垢床の再生能力を妨げるリスク

このエコで持続可能な無垢床に、ワックスを使用することは、この「再生能力」を将来的に妨げることになりかねません。

一般的に使われる「ワックス」は、木材の表面にごく薄い保護膜を形成しますが、以下のような大きなリスクを伴います。

  • 塗料の再塗装が不可能になるリスク: ワックスの層は、ウレタン塗料が持つ溶剤や樹脂成分を弾いてしまうものが多く、一度塗ると特殊な工事で完全に除去しない限り、将来的に塗料での本格的な再塗装ができなくなる可能性があります。
  • 木材へのダメージ: ワックスを完全に除去するために特殊な薬剤での洗浄が必要ですが、この作業によって床材の変形や変色が発生して、せっかくの無垢床の風合いが損なわれてしまう恐れがあります。また、作業コストも決して安いものではありません。
  • 高頻度な塗り直し: ワックスは塗料に比べて非常に薄い膜しか作らないため、学童クラブのように砂塵の上がり込みや摩擦の多い場所では劣化が早く、頻繁な塗り直しが必要になります。

以上の理由から、弊社としては長期的に木材を保護できる「木床用保護塗料」をおすすめします。

🎨 DIYで無垢床を長持ちさせる!プロがおすすめする2種類の木材保護塗料

今回のご相談内容(DIYでの施工希望、新築から半年で汚れが気になる)を考慮し、お客様の求める「仕上がり感」に合わせて、DIYでも施工可能な2種類の塗料をご提案します。

ただし、どちらの塗料も透明であるため、現状の汚れは隠れません。目立つ汚れは塗装前に研磨などでしっかりと落としていただく必要があります。

選択肢①:オイルのような仕上がり(木材の質感を活かしたい方向け)

➡ 「VATON-FX ナチュラルフィニッシュ」

特徴とメリットデメリットと注意点
ムラになりづらい: 塗ってから布で拭き取る工程のため、DIY初心者でもムラなく仕上げやすい摩耗が早い: 選択肢②よりも薄膜のため、耐久性では劣ります。ワックスよりは長持ちしますが、比較的高い頻度での塗り直しが必要です。
工期が短い: 求める仕上がりによりますが、1回塗りで済ませることも可能。乾燥も比較的速い。(木地の毛羽立ちが気になる場合のみ) 1回目乾燥後、#320程度の研磨紙で軽くケバを取る作業が必要です。

選択肢②:ニスのような光沢がある仕上がり(高い保護力を求める方向け)

➡ 「VATON-FXフロアー 艶有」

特徴とメリットデメリットと注意点
高い耐汚れ性能と耐久性: しっかりとした保護膜を形成するため、選択肢①よりも汚れが付きにくく、摩耗しづらいムラなく仕上げるにはコツが必要: DIYでの施工は不可能ではありませんが、プロのようにムラなく仕上げるには、丁寧な作業と経験が求められます
メンテナンス頻度が低い: 一度施工すれば、長期間にわたって床を保護します。工期が長い: 最低でも3回塗り(1日1回塗り)が推奨です。養生や乾燥期間も含めると、丸7日間程度の工期が必要になります。
将来的なDIYメンテナンスが困難: 将来、塗膜が剥がれたり割れたりした場合、専用の研磨機械で木地まで塗膜を完全に除去する必要があり、実質DIYではメンテナンスが非常に困難になります。

(重要)DIYで油性塗料を使う際の「自然発火」にご注意ください

上記でご紹介した塗料はどちらも油性塗料です。使用済みの布やウエス、刷毛をそのまま放置すると、稀に自然発火する危険性があります。

安全に作業を進めていただくため、必ず以下のコラムをお読みいただき、「自然発火の注意点と対策」を徹底してください。

油性塗料の自然発火を防ぐ対策コラムはこちら

まとめ:学童クラブの床にはどの塗料を選ぶべき?

比較項目①VATON-FX ナチュラルフィニッシュ②VATON-FXフロアー 艶有
仕上がり感木の質感そのまま(オイル風)光沢のある保護膜(ニス風)
DIYの難易度簡単(ムラになりにくい)難易度高(ムラになりやすい)
耐久性中(高頻度な塗り直しが必要)高(長期的な保護に優れる)
工期(目安)1日~2日7日間(養生・乾燥含む)
おすすめするケースとにかくDIYで簡単に済ませたい、木の質感を活かしたい場合とにかく耐久性を求めたい、DIY難易度が高くても時間をかけて取り組める場合

せっかくの無垢床。ワックスではなく、耐久性の高い塗料でしっかりと保護することをお勧めします。

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この記事を書いた人:販売促進グループ 増田
画力と丁寧な記述に定評のあるライター。業務ではWEB販促を担当。最近は約8年ぶりに名刺に載せる似顔絵を描き直した中で、己の加齢にショックを受けた。