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5分で読める! 屋内の現場塗装に使う木工塗料選び~要注意な塗装箇所3選~
屋内に塗装する場所は多岐に渡り、要求される性能も様々です。塗料の選択を誤ると様々なトラブルを引き起こす恐れがあります。
今回は、よくご相談いただく塗装部位の内、特に注意が必要なケースに焦点をあてて解説します。
目次
塗料の選び方早見表
※土足(重歩行)の場合はさらに条件が厳しくなるケースも多いです。詳しくはこちらのコラムをご参照ください。
屋内で特に注意すべき場所は「飲食用途のカウンター・テーブル」と「床」、「体育館フロアー」です。(浴室や脱衣場等、注意が必要な場所は他にもありますが、今回は割愛します。「浴室壁面への塗装」についてはこちらのコラムをご参照下さい)
要注意な塗装箇所その①:飲食用途のカウンター・テーブル
飲食用途のカウンター・テーブル×ラッカー塗料
ラッカー塗料は「塗膜をつける」塗料ですが、熱い食べ物、飲み物が入った食器を直接置いた時に、塗膜がふくれる、跡が付く恐れがあります(弊社では湿熱による輪ジミといいます)。飲食カウンターの塗装にラッカー塗料を使う事は推奨しません。
飲食用途のカウンター・テーブル×ステイン塗料
ステイン塗料は「塗膜をつけず木材に浸透して色を着ける」塗料です。ウレタン塗料のように「塗膜をつける塗料」ではない為、コーヒー等をこぼして放置した際に、木材に浸透して跡がつく恐れがあります。また、食べ物、飲み物が入った食器を直接置いた時に傷や跡がつく恐れがあります。汚れには強くない反面、定期的な塗り直し、メンテナンスは容易の為、塗膜をつけず木質感を活かしたい時は、ステイン塗料を塗装されるケースもあります。
飲食用途のカウンター・テーブル×ウレタン塗料
ウレタン塗料は「塗膜をつける」塗料です。反応して硬化する塗料の為、様々な物理的性能に優れています。塗料種から言うと飲食カウンターへの塗装は最適と言えます。但し、ウレタン塗料の製品によっては飲食カウンターに不適なもの(湿熱等への耐性が低いもの)もある為、カウンター適正のある塗料(「セーフティーワルツ ネオデラック2020FF」や「ソワード2液トップクリヤー」)を選定する事が必要です。
要注意な塗装箇所その②:床
床×ラッカー塗料
ラッカー塗料は塗膜が薄く、歩行による摩擦で塗膜が摩耗し木地面を露出しやすい為、推奨しません。
床×ステイン塗料
飲食カウンターでもふれたように、汚れや傷は目立ちます。反面、定期的な塗り直し、メンテナンスは容易の為、塗膜をつけず木質感を活かしたい時はステイン塗料を塗装されるケースもあります。
床×ウレタン塗料
塗料種から言うと床の塗装に適しています。但し、飲食カウンターでもふれたようにウレタン塗料の製品によっては床に不適なもの(衝撃等の耐性がないもの)もある為、適性のある塗料の選定(「VATONFXフロアー」、「水性VATON-FXフロアーNY」、「ネオデラック1000A」、「セーフティーワルツ ネオデラック2020FF」 等)が必要です。
要注意な塗装箇所その③:体育館フロアー
体育館フロアー×ウレタン塗料
ウレタン塗料のみ使えます。体育館フロアー等のスポーツフロアーは光沢があるものがほとんどです。また、激しい運動を行う為、摩耗に強く、滑り性が適切で、かつ体育館シューズ等による跡がつきづらい、体育館フロアー適性のあるウレタン塗料を推奨します。(「ネオデラック1000A」、「セーフティーワルツ ネオデラック2020FF」、「ソワード2液フロアーT」等)
(番外):天井、壁、棚
天井、壁、棚×ステイン塗料、ラッカー塗料、ウレタン塗料
汚れや摩耗、熱などにさらされることが少ないため、基本的にどの塗料種でも使用できます。色を着けたい場合はステイン塗料、塗料を速く乾かしたい場合はラッカー塗料、物理的性能や塗膜感を求めるのであればウレタン塗料、というように目的や求められる性能に応じて選定します。
まとめ
本記事では、屋内に使う塗料の選び方を紹介しました。今回紹介した内容から、読者の皆様がより良い選択と仕上がりを実現できることを願っています。
とはいえ、今回ご紹介できた情報は全体のほんの一部です。調べたい塗料について情報が載っていない、または、掲載されている情報についてもっと詳しく質問したい、という方は、お問合せフォームより、お気軽にお申し付けください。
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この記事を書いた人:塗創課 S
分かりやすい図表づくりに定評のあるライター。業務では調色、見本作成を通した塗装提案を担当。趣味は読書、映画、水泳。好きな映画は「インターステラー」。