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木部塗装の基本③ 木部塗料の種類 ~前編~

前回の復習

僕たちは木材の塗料にまつわる色んなテーマについて紹介しているよ!
前回、僕たちは「木材に塗る塗料はどんな役割があるのか」を紹介したけど、どんな内容だったかな。

塗料の役割は「基材保護」、「意匠性」、「機能性」の3つだったよね。
次に、木材に塗る塗料は木目を活かす「透明塗料」が多いということ、そして
「木材特有の性質に合わせた性能」を持つ塗料が多いっていうことだったよね。

うんうん、よく覚えているね。

ここで復習したからね。今回はどんな内容かな。

塗料の種類

今回から木材に塗る塗料はどんな種類があるか紹介するよ。

オッケー、今回もよろしくね。

まず、ざっくりと紹介するけど、木材に塗る塗料はこんな種類があるよ。

ひえ~!?こんなにあるんだね!!

右半分の塗料については、専用の塗装機器が必要だったり、扱いが難しかったり、
使われる場面が限られているんだ。今回は建物を建てる時にその場で塗装(現場塗装)する塗料を4種類紹介するよ。

少し安心したよ。表があるけど、これはどんな違いになっているのかな?

「塗膜」のあるなしだったり、建物の中か外かの使用場所で塗料種類を分けているよ。

「塗膜」ってなに?急にでてきたからわかんないんだけど…。

塗料を塗って、それが固まることで作られる「表面の膜」のことを「塗膜」と言うんだ。塗膜をつけない方が木材の質感がそのまま残った仕上がりになるんだケド、塗膜をつけた方が傷や汚れからの保護効果は良くなる場合が多いんだ。

なるほど、フィルムみたいなものをイメージしたら、確かに汚れにくくなりそうだね。

そうだね。そんな感じでイメージしてみるといいよ。

木材保護塗料(WP)

まずは「木材保護塗料」について説明するね。
木材保護塗料は木材をカビ、腐れ、虫害などから守ることが目的の塗料だよ。
その為に、木材保護塗料は防腐、防カビ、防虫効果のある薬剤がはいっているんだ。

塗料の役割から言うと・・・「基材保護」かな?

そうだね。色も付けるから「意匠性」としての役割も持っているよ。
「木材保護塗料」は英語でいうとウッド プリザーバティブス ステイン(Wood Preservatives stain)となるんだ。この頭文字をとって、WPであったり、WPステインとも呼ばれたりするよ。

なるほど、頭文字をとっているんだね。外装に使われると書いてあるけど、どんな所に使われるのかな?

ウッドデッキだったり、木材を使った外壁に使われたり、外装全般に使われるよ。

木材保護塗料には「造膜型」という塗膜をつけるタイプと、「浸透型」という塗膜をつけないタイプの2種類があるんだよ。

ひえ~、更に分かれるの!?

要はさっき言っていたフィルムみたいなのを造るのか、造らないのかってことだよ。塗膜をつけるタイプは「木材保護塗料」だとペンキみたいな塗りつぶしが多いんだ。浸透型は木目を活かしながら色を着けるってイメージの塗料だよ。

ペンキみたいにする時としない時でどういう時に使い分けをするのかな?

新しく建てる建物には浸透型の木材保護塗料を使われることが多いよ。せっかくなら木目を活かした塗装をしたいというニーズがあるからだね。

じゃあ、造膜型の木材保護塗料は新しい建物じゃない時に使うのかな?

新しい建物でも使われることはあるよ。例えば、洋風の建築にしたい時には、木目を塗りつぶしたデザインにする場合なんかだね。ただ、どちらかというと「古い建物を綺麗にしよう」といういわゆる「改修工事」で使われることが多いかな。

木材が古くなって劣化していると、「浸透系の木材保護塗料」を塗装して
も色が着かないことがあるからね。このことについては、こちらのコラムに詳しく書いているから参考にしてみてね。

色んな使い方があるんだね。他に注意することはないの?

他にも「改修工事」で塗膜がついている木材に浸透型の木材保護塗料を塗ろうとすると塗料がハジいて塗れないんだ。これは浸透型の木材保護塗料が木材に浸透出来ないことが原因だよ。

塗膜をとってしまえば塗ることが出来たりしないの?

いい所に気が付いたね。塗膜を全部削って取ってしまえば塗ることが出来るよ。

そうなんだね!

ステイン(ST)

次はステインだけど、要は着色する塗料なんだ。ステインの頭文字をとって、STと呼ばれることがあるんだ。木材保護塗料も着色するものが多いケド、違いは建物の外(外装)に塗るか、建物の中(内装)に塗るかなんだよ。

そうなんだ。外に塗るか中に塗るかでどんな違いがあるの?

木材保護塗料は厳しい外の環境にさらされるから、先程紹介したように防腐、防カビ、防虫効果のある薬剤がはいっているんだ。一方、ステインの多くには薬剤が入っていないんだ。

薬剤が入っていたら、暮らしているとどんな影響が出るかわからないもんね。

そうだね。ステインは木材に着色すると共に軽い汚れ止めを行うことが目的の塗料だよ。この塗料は木材に浸透するタイプで塗膜を造らないんだ。

さっき言っていた浸透型の塗料ってこと?

よく覚えているね。この塗料は内装の色んな所(全般)に使えるんだけど、特に内装の壁や天井に使われることが多いんだ。

そうなんだ。何で壁や天井に使われることが多いの?

塗膜をつける塗料種と比べると、ステイン塗料はキズや汚れへの保護性能は低いんだ。だから床やテーブル等、保護性能が要求される箇所にはあまり用いられないんだよ。その点、壁や天井にはそこまでの保護効果が必要ない場合が多いから、使われることが多いんだよ。

なるほど~。ステイン塗料には、木材保護塗料みたいに注意点とかはないのかな?

良い所に気が付いたね。浸透型の木材保護塗料と同じく塗膜がついている所には塗れないんだ。

さっき紹介してくれたよね。ステインは浸透型の塗料だから、塗膜がついている所に
は木材に浸透出来ないことが原因なんだよね?

その通り、同じように、塗膜を全部削って取ってしまえば塗ることが出来るよ。

やっぱりそうなんだね!

まとめ

今回の内容をまとめるよ。
木材保護塗料(WP)は木材をカビ、腐れ、虫害などから守ることが目的の塗料で外装全般に使用されるよ。また、木材保護塗料には「造膜型」という塗膜をつけるタイプと、「浸透型」という塗膜をつけないタイプの2種類があるということも紹介したね。

あと、ステインについても紹介したよね。

そうそう、ステイン(ST)は着色すると共に軽い汚れ止めを行う塗料で内装全般に
使用されるよ。また、ステインは「浸透型」という塗膜をつけないタイプということも紹介したね。

ステイン(ST)は浸透型だから塗膜がついている木材にステインを塗ろうとすると
塗料がハジいて塗れないんだよね。

正解!浸透型の木材保護塗料(WP)も同じことが言えるよ。

そうそう、そうだったね!

今回は、木材保護塗料とステインについて紹介したよ。次回はラッカー塗料とウレタン塗料について紹介するよ。

楽しみに待っててね!

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