事例・コラム
Column
木部塗装の基本④ 木部塗料の種類 ~後編~

目次
前回の復習
僕たちは木材の塗料にまつわる色んなテーマについて紹介しているよ!
前回、僕たちは「木部塗料の種類」を一部紹介したけど、どんな内容だったかな。
木材保護塗料(WP)とステイン(ST)について紹介したよね。
そうだね、それぞれの特長はどんなのだったかな?
木材保護塗料は木材をカビ、腐れ、虫害などから守ることが目的の塗料で外装全般に
使用されるということ。
また、木材保護塗料には「造膜型」という塗膜をつけるタイプと、「浸透型」という塗膜をつけないタイプの2種類があるということだったよね。
そうそう!
あとは、ステイン(ST)は着色すると共に軽い汚れ止めを行う塗料で内装全般に使用されるということ。
また、ステインは「浸透型」という塗膜をつけないタイプということも言っていたね。浸透型の塗料は塗膜がついている木材には塗料がハジいて塗れないんだよね。
すばらしい!よく覚えているね。
またここで復習したからね。今回はどんな内容かな。
塗料の種類

前回はこの表の中の4種類を紹介すると言ったけど、まだ紹介していないのはどの塗料かな?
ラッカー塗料とウレタン塗料はまだ紹介していないよね?
正解!今回はその2つを紹介するよ。本当はここに「溶剤系か水性か」という話も関係してくるけど、分かりやすさを重視したいから、今回は市場で主に使われている「溶剤系」の塗料で話していくね。
今回もよろしくね!

この表からわかるかもしれないケド、ラッカー塗料もウレタン塗料も内装に使われる「塗膜をつける」塗料になるんだ。
どっちもなんだね!何が違うのかな?
後で詳しく説明するケド、ざっくり言うと「乾く」塗料か「かたまる(硬化する)」塗料かの違いなんだ。
乾くのもかたまるのも塗膜になったら結局一緒じゃないの?
実は違うんだ。そこも踏まえて説明していくね。
うーん。今回は何だか難しそうな予感がするな…。
大丈夫!出来る限りわかるように紹介するから!
そこまで言うなら頑張ってみようかな…。

ラッカー塗料(CL)
まずは「ラッカー塗料」について説明するね。艶を変えたり、汚れ止めを行うことが目的の塗料だよ。クリヤーラッカーの頭文字をとって、CLとも呼ばれるんだ。この塗料は「乾燥が速い」と言うことが一番の特長なんだ。
この塗料は乾く塗料とかたまる塗料のどっちなのかな?
この塗料は乾く塗料になるよ。ラッカー塗料にはシンナーと塗膜になる成分とかが入っていて、シンナーが蒸発すれば塗膜になるんだ。
そうなんだ。ちょっと思ったんだけど、塗膜になったものにシンナーをつけたら溶けたりしないのかな?
正解!溶けてしまうんだ。
えぇ~!?それじゃダメなんじゃないの!?
ところがどっこい、普段の生活にシンナーを使う場面っていうのはなかなかないんだ。 身近な例なら、テーブルを消毒用アルコールで拭いた時とかに白くなることがあるくらいかな。ラッカー塗料はこれから説明するウレタン塗料と比べて保護性能は高くないので、そこも含めてテーブルや床などにはおススメできないんだ。
じゃあどんな所に使われるの?
ラッカー塗料は内装の壁や天井に使われることが多いんだ。
じゃあステインと同じだね。何か違うことはあるのかな?
ラッカー塗料は塗膜をつけるから、手っ取り早く艶を出したい時とかに使われるよ。
なるほど!ツヤツヤにしたいって時に使うんだね。塗料の役割から言うと意匠性にあたるのかな?
正解!ツヤツヤにするだけじゃなくて、逆に艶を消したりも出来るよ。写真では伝わりづらいんだケド、塗膜をつけることで独特の高級感が出るんだ。また、塗膜をつけることでステインよりは保護性能があるので、基材保護として の役割もあるよ。
なるほど!前回言っていたけど、フィルムみたいなものをイメージするとよさそうだね。

内装壁面 ラッカー塗装仕上げ(大阪府 フェスティバルホール)
ウレタン塗料(UC)
次はウレタン塗料について説明するよ。今まで紹介した塗料と比べると、保護性能が高い為、カウンター、テーブル、床等、内装の色んな所(全般)に使えるんだ。ウレタンクリヤーの頭文字をとって、UCとも呼ばれるよ。ラッカー塗料と同じように艶を出したり、消したりも出来るよ。

内装全般 ウレタン塗装仕上げ
この塗料がかたまる塗料なんだね!
正解!ウレタン塗料は「何かと繋がってかたまる(硬化する)塗料」なんだ。かたまってしまった(硬化した)後は、ラッカーと違ってシンナーをつけても溶けたりしないんだ。そして、このウレタン塗料には3種類あるんだ。

ひえ~、更に分かれるの!?なんか前もこんなこと言ったような気がするケド…
要は何と反応してかたまる(硬化する)かの違いなんだよ。酸素とつながってかたまるのが「1液油変性ウレタン塗料」、水分とつながってかたまるのが「1液湿気硬化型ウレタン塗料」、主剤というものと硬化剤というものの2つの塗料がつながってかたまるのが「2液ウレタン塗料」なんだ。
え~とつまり・・・「酸素」か「水分」か「2つの塗料」かで違うよってことなのかな?
正解!呑み込みが早いね!

3種類のウレタン塗料は「どこで塗るのか」であったり、塗装する木材が「どこに使用されるか」で違うんだ。
どういうこと?
建物を建てる時にその場で塗装(現場塗装)する場合、「1液油変性ウレタン塗料」だったり、「1液湿気硬化型ウレタン塗料」を使われることが多いんだ。「2液ウレタン塗料」はその場で塗装(現場塗装)する時にも使われるケド、塗装する工場で椅子等の家具だったり、階段等の建築部材を塗装(工場塗装)する場合に多く使われるんだ。
う~ん、その場で塗装(現場塗装)する時、使われる種類は2つあるケド、使い分けがあったりするのかな?
飲食用途のカウンター・テーブルには「1液湿気硬化型ウレタン塗料」が使われることが多いよ。それ以外の床や壁だったりする場所にはどちらも使われるんだ。
そうなんだ。他にも違いだったり、使い分けってないの?
「1液油変性ウレタン塗料」は他の2種類のウレタン塗料より塗り易いという特長があるよ。ただ、塗膜がもともと黄色いから、それが気になる場合は「1液湿気硬化型ウレタン塗料」を選択したりするんだ。このように目的や要望に応じて使い分けられているよ。
みんなちがって、みんないいんだね。
そうだね!(その言葉はどこかで聞いた気がするケド…)

まとめ
今回の内容をまとめるよ。
ラッカー塗料(CL)とウレタン塗料(UC)はどちらも「造膜型」という塗膜をつける塗料でどちらも内装に使用されるよ。
ラッカー塗料(CL)は乾く塗料で、内装の壁や天井に使われることが多いんだ。
また、ウレタン塗料と比べて保護性能は高くないので、テーブルや床等には
使われないんだよ。
ウレタン塗料についても紹介したよね。
そうそう。ウレタン塗料(UC)はかたまる(硬化する)塗料で今まで紹介した塗料と比べると、保護性能が高い為、カウンター、テーブル、床等、内装の色んな所(全般)に使えるんだ。
ラッカー塗料もウレタン塗料も塗膜をつけるからツヤツヤ(艶を出す)にしたり、
艶を消したり出来るんだよね。
正解!更にウレタン塗料には3つの種類があることも紹介したよ。酸素とつながってかたまるのが「1液油変性ウレタン塗料」、水分とつながってかたまるのが「1液湿気硬化型ウレタン塗料」、主剤というものと硬化剤というものの2つの塗料がつながってかたまるのが「2液ウレタン塗料」で、目的や要望に応じて使い分けるんだ。ここについては、今後別のコラムでも説明を予定しているから楽しみに待っていてね!
待っててね!
今回で僕たちが担当の「木部塗装の基本」コラムはひと段落となるよ。コラム自体はまた随時更新していくので、引き続き楽しみにしていてくれると嬉しいよ!ではではまたね!
またね!
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